ネフローゼ症候群の治療に期待が持てるステイロイド治療。
プレドニン(プレドニゾロン)という薬を用いて、ステロイドを体内に取り込んでいきます。
ステロイドの副作用
ネフローゼ症候群に対する効果が認められている一方、ステロイドには多くの副作用が存在します。
今となっては副作用の対処法もマニュアル化されており、しっかりと医師の指示に従い服用することでその安全性が保たれています。
副作用の一部は以下のとおりです。
- 1.免疫力の低下
- 自己防御機能が抑えられてしまうため、細菌やウイルスに感染しやすく、かつ、治りにくくなります。
- 2.糖尿病
- 肝臓で糖を作る力を高め、筋力や組織で糖を利用する力を弱めることにより、血糖値が高くなります。
- 3.高血圧
- 電解質のバランスが崩れ、血管内に水分が貯まりやすくなります。
そのため、高血圧やむくみを引き起こします。 - 4.精神症状
- 睡眠障害、気分の落ち込みと高揚といった精神症状が現れることがあります。
- 5.骨粗しょう症
- 骨形成する力が低下。
カルシウムの吸収も抑制してしまうため、骨量が減り弱くなります。 - 6.消化性腸炎
- 消化管粘膜の防御機能が低下し、粘膜が傷つきやすく、再生機能も低下します。
- 7.ステロイドミオパチー
- 腕や腰、太ももの筋肉が分解され筋肉量が減少。
ふらつきが起こりやすく、足があがりにくくなり、日常生活が困難になるケースがあります。 - 8.ムーンフェイス
- 脂肪の分解や合成が強められ、手足の脂肪は減少し、体幹や顔、首の後ろには脂肪がつきやすくなります。
そのため、頬下がぷっくりと丸みをもち始めます。 - 9.白内障・緑内障
- ステロイド性白内障や緑内障を引き起こす可能性があります。
- 10.副腎不全・ステロイド離脱症状
- 本来、体内の副腎皮質で作られるステロイドが、長期にわたり体外からの投薬を続けることで、副腎皮質のステロイド生成機能が失われます。
副腎皮質ではホルモンバランスを整える役割も担っているため、ダルさなどの症状が出現。
患者による勝手な断薬は危険
プレドニンという薬によって体外からステロイドを投与し副腎皮質の機能が失われているさなか、プレドニンの投与を急に中止すると、副腎皮質の機能はすぐに回復せず、急激な症状悪化を引き起こします。
患者による勝手な判断でプレドニンの服用を中止するのは危険な行為ですのでご注意ください。
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