「再検査」当日 #その2

検査
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再検査を終えて会社へ向かう

会社へ向かう途中、直属の上司に一報として検査入院が必要なことを電話で報告する。
上司はこれから外出予定があるらしく、心配そうに電話口で私の話を聞いてくれていた。
会社に到着したら人事に話をし、一部の所属長たちに簡単に再検査の結果をメールで報告することになった。

会社に到着

30分ほどかけて会社に到着する。
定時は過ぎており、早めに帰宅をする人たちとちょうどタイムカード付近で出くわす。
被害妄想かもしれないが、すれ違う人は「こんな時間に出勤?」というような不思議な顔で見つめられる。

早速席につき、荷物を整理した後に人事部長へ内線をする。
診断された病名や来週から検査入院が必要なことを説明し、心配そうに話を聞いてくれている。
そして、限度額適用認定書の申込用紙を用意してくれたり、休暇を取っている間の待遇など親切に教えていただいた。

人事部長との面談と、過去の言動に反省

私の会社の制度では、有給は年に20日付与される。
そして、その付与された有給は2年間使用しないと消化する仕組みだ。

つまり、最高で40日間の有給を保持できることになる。
私は基本的に有給をすべて消化できず、40日に近い有給を保持している。
そして、人事部長との話によると、私には有給の他に代休が取得できる日にちが何日かあるようだ。

つい最近、仕事の関係で休日出勤することが確定した。
会社は代休を取得できるようにすると言ってはくれるものの、有給をすべて消化できない自分にとっては代休など何の価値もないと同僚に嘆いていたのだ。

どうせ2年の間に有休も代休もすべて消化できるわけではない。
次に休む名目が有給なのか代休なのかの違いだけだと。

こんなにも早く己の言動を反省することになるとは思わなかった。
病院の先生には、検査入院は1週間ほどと告げられていたが、入院中に治療が必要と判断したら、そのまま治療入院に移行する可能性があるといわれていた。
ようは、最短で1週間、最長でどの程度の入院になるのか分からないという話だ。

こんなにも代休や有休のありがたみを感じたことはいまだかつてない。
自分目線でしか考えることのできない過去の言動が極めて恥ずかしく思えた。

関係者への報告

人事部長との面談を終え、私の業務で関連が深い所属長の方々へ再検査の結果と検査入院になることをメールにて報告した。
そして、来週から検査入院になることもあり、休暇中の業務引き継ぎ書を作成し始める。
当たり前のようにこなしていた業務を、他人が見て理解できる段階まで文章で落とし込むことの大変さを痛感し、なかなかはかどらない。

このまま引き継ぎ書を作成していたら今日中に帰れないと判断し、明日明後日の出張準備を早々と片付けて帰宅することとした。

帰宅

20時手前ぐらいだったろうか、家に着く。
心配そうにしている妻と、無邪気に「パパ抱っこ」と駆け寄ってくる娘たち。

やはり妻だけがいつもとは違う感じだ。

病院で言われたことを一つ一つ妻に説明していく。
そして、週末の金曜日に内視鏡検査を日帰りで実施することも伝えた。

妻はひっきりなしにスマホで何かを調べている。
どうやら、ネフローゼ症候群について調べているようだ。

食事療法で塩分コントロールが不可欠といった情報を見たらしく、
「そういった料理をつくれるようになるね」
と、優しく声をかけてくれたことを今でも忘れない。

病気は個人の戦いではなく、家族全員で戦い抜くものなのだと暗に言われたような気もした。

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