入院7日目|ネフローゼ症候群を甘く見ていた私

入院中
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入院7日目

今日は腎生検による検査結果の速報が出る日。
この結果次第で明日退院できるかどうかが決まる。

退院の準備

当初の予定では、明日退院できる予定。
腎生検による検査速報が本日夕方に出るため、先生からはその速報を見て最終判断するといわれている。

どこから湧いてくるのか分からないが、退院できると勝手に決めつけてその準備を始めた。
間もなくして妻がお見舞いに来てくれた。
そして、一緒に退院の準備を手伝ってくれた。

気付くと妻に今日持って帰ってもらうものが山のような量になってしまった。
さすがに妻にわるいので、今日持って帰ってもらうものは靴下だけにした。
明日はタクシーで家に帰れば苦にならないからと。

多忙を極める妻と義母

私が入院をしているだけでも妻は大変な思いをしている。
小さい娘3人を見ながら家事を行う大変さを私はよく知っている。

そんな中、次女が胃腸炎になってしまったのだ。
皮肉にも、かかりつけの病院から紹介状を発行され、次女と妻が私の入院している病院へ一昨日来ていたのだ。

感染の恐れがあるため、私は外来病棟に行くことができなかった。
ぐったりしている次女を今すぐ抱きしめに行きたい気持ちで心が押しつぶされそうだった。
すぐそこに娘がいるのに。

胃腸炎にかかった次女を私の病室に連れてくることはできない。
病院に子どもたちを連れてくることができないため、妻が病院に行くたびに義母に娘たちを見てもらう日々だ。
義母も仕事をしているので、何度も何度も休みを取ってもらい、娘たちの看病をしながら我が家の家事もこなしてくれた。
そして、義母の家に帰ったらまた家事を行うという、体に鞭を打つ日々が続いていた。

結局、次女から三女、三女から長女へと胃腸炎が移ってしまう。
言うまでもないが、妻と義母の慌ただしい日々は続いていく。

何も手伝うことができない自分が歯がゆい。
むしろ、私のせいで妻や義母、子どもたちに迷惑をかけていることがやるせない。

やることがなくなり読書

昼前には妻が家に帰り、私はやることがなくなった。

周りを見渡すと、大量に持ち込んだ本があった。
一気に読んでしまうと後半になって暇になってしまうと思い、あまり手を付けずにいた本がたくさんあった。

せっかくだから本を読み切ってしまおうと思い、ペースを上げて読み続けた。
先生来るの遅いなと思っていたその時、先生が病室に来た。

退院延期

検査の速報結果を医師団で協議したところ、どのタイプのネフローゼ症候群かが判明したようだ。
そして、明日退院の予定だったか、このまま治療入院に移することを勧められた。

私

治療入院の期間はどの程度ですか?

先生
先生

一ヶ月半程度を想定してます。

私

一ヶ月半・・・。

先生
先生

私からご家族へ説明をしましょうか?質問したいこともたくさんあると思うので。

私

ぜひお願いします。

思わず言葉を失った。
勝手に明日退院できると決めつけていた自分がばかばかしい。
頭が真っ白になるとはこの状況のことを指すのであろう。

その後も先生と話しはしたが、ほとんど会話した内容を覚えていない。
それほどの衝撃だった。

妻に連絡

もう一ヶ月半入院することになったことを妻に伝えた。
一度退院し、近日中に再入院することも可能であると説明を受けたが、一日も早く退院したかったためこのまま継続入院することで妻と合意が取れた。

現在、妻は育児休業中で3週間後に職場復帰する予定だ。
ただでさえ職場復帰をしたら家庭と仕事の両立が大変になる。
そんな中、私がいないという状況を考えただけでも心が押しつぶされそうになる。

そして何より、電話口から聞こえる妻の声から、妻の悲しげな表情と不安が手に取るように感じ取れた。

申し訳ないという言葉では表しきれない感情だ。

頭が真っ白になり、先生の説明を私がうまく理解できなかったため、当然ながら私から妻にも病気のことについてうまく説明ができない。
それが更に妻の不安を膨らませていたに違いない。

一度冷静になり、明日の先生との時間の際に聞きたいことを洗い出しておこうと言って電話を切った。

会社に連絡

直属の上司に、第一報の連絡を入れた。
明日退院ができなくなったことと、入院がもう一ヶ月半延びることを。

そして、関係者に改めて詳細はメールにて報告した。

次々と私を気遣ってメールの返信が届く。
このタイミングで私が業務から2ヶ月も離れることの重大さを私はよく理解している。
それにもかからず、

「今はゆっくり休め」
「仕事なんてどうにでもなる」

といった上司の言葉が少し私の不安を和らげてくれた。

眠れない夜

速報の結果はどういう内容だったのか。
なぜ一ヶ月半も入院が必要になるのか。
私が想像している以上によくない状況に陥っているのではないか。

いろんなことが脳裏をよぎる。

しっかりと先生に対し、分からないことを質問すればよかったと反省する。
しかし、あの時の私にはそんな余裕がなかった。

明日退院したら、家族全員を強く抱きしめることしか考えていなかったから。

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