入院8日目 |腎生検の速報結果を受けて

入院中
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今日は妻と一緒に、腎生検の速報結果の説明を先生から受ける日。
不安に押しつぶされそうになりながら、心して話を聞いた。

先生からの説明

朝10時過ぎ、妻が病室にきた。
妻の顔は疲れきっていた。

その後、先生のいる部屋へ移り、話をすることになった。

腎生検速報結果

重々しい我々夫婦の空気を感じ取ってか、先生がリラックスした様子で話を始める。
速報結果を見る限り、私のネフローゼ症候群のタイプを説明してくれた。

微小変化型ネフローゼ症候群

これが私の病名だ。

まだ速報の段階であることと、今後すべての検査結果がでるのはもう一ヶ月ほど時間がかかることも同時に伝えられた。
そのため、最終的な判断はまだできないが、ネフローゼ症候群のタイプが判明したことにより、すぐに治療に移れるといった前向きな入院延期であることを告げられる。

我々夫婦の緊張の糸が少しほぐれた。

まずは寛解を目指す。
その後、完治を目指す。

ただし、微小変化型ネフローゼ症候群は再発率が高いため、特に完治を目指す際は細心の注意を払っていく必要があると告げられる。

寛解とは、少量の薬で病気の症状が抑えられた状態を指す。
完治とは、薬を服用しなくとも病気の症状が抑えられた状態を指す。

薬の量を減らしていくにつれ、症状が再発する恐れがあること。
完治した後も再発するリスクがあることを説明された。
そのため、退院してからも定期的に病院にきて、経過観察を行っていく必要があると。

早ければ2ヶ月後には職場復帰ができるかもしれない。
現時点では、何十年後に人工透析が必要となるようなリスクも少ない。

ただし、残りの余生は長いため、他の病気が要因で人工透析が必要になることはあり得る。

しっかりとこの病気と向き合い、適切な治療や生活習慣を続けていければ、そこまで不安に陥ることはないと。

深い暗闇の中からようやく待ち望んだ光が見える感覚といったら大げさかもしれない。
ただ、こころのモヤモヤだったり不安が解消されていく。
妻の表情も段々と晴れていく。

そして、この病気で死ぬまで向き合っていこうと決意する。

ステロイド治療

まずはプレドニンという薬を飲んでいく治療が必要だと説明を受けた。
いわゆるステロイド治療だ。
効果は数日から数週間という短期間で現れることが多いようだ。

私の症状と体重を考慮し、1日11錠から飲み始め、錠数を徐々に減らしていくと。
効果がでてくるタイミングと錠数を減らすタイミングを鑑み、退院できる日が約一ヶ月半後という話らしい。

ステロイドにはこの病気の症状を改善させる効果があるものの、副作用もたくさん持ち合わせているようだ。
先生から説明された副作用は以下のとおりだ。

1.免疫力の低下
2.糖尿病
3.高血圧
4.精神症状
5.骨粗しょう症
6.消化性腸炎
7.ステロイドミオパチー
8.ムーンフェイス
9.白内障・緑内障
10.副腎不全・ステロイド離脱症状

副作用の詳細については、ステロイドの副作用とは?をご覧ください。

ステロイドの副作用とは?プレドニン(プレドニゾロン)を服薬する方へ
ネフローゼ症候群の治療に期待が持てるステイロイド治療。 プレドニン(プレドニゾロン)という薬を用いて、ステロイドを体内に取り込んでいきます。 ステロイドの副作用 ネフローゼ症候群に対する効果が認められている一方、ステロイドには多くの副...

強めのステロイド投薬が必要な期間は、特に免疫力の低下から合併症を引き起こす危険性が高く、比較的隔離され、すぐに処置がとれる病院の方がこのましいため、入院を勧めているという。

それからも私と妻がどんどん質問をしていき、あっという間に30分も時間が経過していた。
平日のため、外来の患者さんも診なければならない忙しい状況の中、嫌な顔一つせず私たちの質問に先生は答えてくれた。

とても救われた話し合いの時間だった。

先生との話が終わり、妻も安心した様子で家に帰っていった。

田舎の実家から両親がお見舞いに

妻が帰った後、田舎の実家から両親がお見舞いに来てくれた。
土地勘のある義母も一緒にお見舞いに来てくれた。

私は昔からほとんど風邪もひかない体の強い子だった。
私の体の強さを知っている母親は、指定難病に該当する病気を私が患っていることをいまだに信じられないようだ。

実の子が難病と聞いて、どういった想像を膨らませていたかは分からないが、目の前にいる私はまったくもって健康体な人間に見えたに違いない。
自覚症状もほぼなく、普通に歩けるし受け答えもちゃんとできる。

ただし、表に現れないだけで体がわるい状態は間違いなく、健康診断という機会がなかったら見逃していたに違いない。
そう思うと恐ろしい病気であり、健康診断の大切さを痛感する。

心配する両親が次々に質問をしてくる。
私は一つ一つ丁寧に回答し、両親や義母の表情から不安が少しずつ解消されていく様子がうかがえた。

そして母から何かの足しにと、妻に現金を渡してきたことを聞いた。
後から金額を聞いて驚いたが、親には頭が上がらないとつくづく実感した。

こんな親に私はなれるのか?とも思った。
いや、「なれるのか?」ではなく「ならなければならない。」と考えを改めた。

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