腎臓病で注意したい食事療法|たんぱく質・塩分・カリウム制限

食生活
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腎臓の主な働きは、たんぱく質の代謝により生じた老廃物を尿と一緒に排泄すること。
一言で腎臓病といっても範囲は広いですが、人が生きる上で重要な役割を担っている腎臓に何らかの障害が発生した場合、食事療法がとても重要となります。

私はネフローゼ症候群という病気を発症し、日々の生活で食事療法が必要となりました。

私の体験談を交えた以下の記事が、同じような理由でこれから食事療法の開始を検討されている方の参考になれば嬉しいです。

ネフローゼ症候群で注意すべき食事内容

一般的によくいわれるのが「たんぱく質」「塩分」「カリウム」制限です。
何らかの要因で腎臓の働きが低下している場合、食事療法でコントロールすることが大切です。

たんぱく質の制限

たんぱく質を過剰に摂取すると、腎臓からしか排泄されない老廃物量が多くなり、腎臓への負担が増加することになります。

腎機能が低下

腎臓が頑張って老廃物を排泄

排泄機能がうまく働かず、尿にたんぱくが含まれて排泄

腎臓に過度な負担をかけていることになる

たんぱく質そのものを制限することで、弱った腎臓を休めてあげるような効果があるんですね。

たんぱく質の制限目安

日本腎臓学会のガイドラインによると、標準体重あたり以下のたんぱく質制限が推奨されています。

0.6~0.7g/日(たんぱく質制限目安)

塩分の制限

腎機能が低下すると、塩分を排泄する機能が低下してしまいます。
そのため、腎機能が低下しているところに塩分を摂り過ぎてしまうと、うまく排泄できず体内に溜まりやすくなってしまいます。
体に留まってしまった塩分は、むくみや高血圧の原因となり、その後さまざまな病気に繋がっていく恐れがあります。

塩分の制限目安

症状によりけりだと思いますが、私の場合は以下の塩分制限を実施しています。

6g以下/日(塩分制限目安)

カリウムの制限

塩分同様、腎機能が低下するとカリウムを排泄する機能が低下してしまいます。
普段必要な栄養素であるカリウムも、腎機能が低下しているときには制限が必要となるケースがあるのです。

カリウム制限のポイント

野菜や果物には比較的多くのカリウムが含まれているものがあります。
野菜には体に必要な栄養素がたくさん含まれているため、元から断つようなことは避けたい。
そんな時は、茹で野菜がおすすめです。

カリウムは性質上、水やお湯に溶けます
野菜を茹でることによって、カリウム含有量を低減できるのです。
果物の場合、フルーツ缶タイプはカリウムが少なくなっています。

カリウム制限については以下のサイトが参考になりますのでご参照ください。

腎臓病や腎機能低下時に注意すべき野菜の食べ方|カリウム制限 | 田毎屋(たごとや)
腎機能が低下した場合、食事制限にてバランスコントロールをしてあげる必要があります。一般的に制限すべき代表例は、たんぱく質、塩分、カリウムの3つです。

参考:入院中の食事

ネフローゼ症候群や腎臓にかかわる病を発症し、これから食事制限が必要な方やご家族に見ていただきたいのが入院中の食事です。

医療施設で出される食事は、お手本であり食事療法の教科書といっても過言ではないなと思います。
これからご案内する食事は、実際に私が入院中に食べていた内容となります。

1.ある日の食事

朝食

ご飯、ツナスープ煮、ボイルサラダ、ドレッシング、ふりかけ、低たんぱくビスケット

エネルギー:480kcal
たんぱく質:12.4g
脂 質 :13.2g
食 塩 :0.9g

昼食

低たんぱく米、あんかけぎせい豆腐、ごま酢和え、さつま芋煮物、ヨーグルト

エネルギー:696kcal
たんぱく質:17.4g
脂 質 :15.5g
食 塩 :1.5g

夕食

低たんぱく米、酢豚、和風サラダ、フルーツ缶

エネルギー:658kcal
たんぱく質:17.2g
脂 質 :16.8g
食 塩 :1.7g

2.ある日の食事

朝食

ご飯、生揚煮物、スープ煮、ふりかけ、低たんぱく煎餅

エネルギー:475kcal
たんぱく質:11.2g
脂 質 :11.7g
食 塩 :1.2g

昼食

低たんぱくパン、ジャム、サーモンポテトグラタン、ビーンズサラダ、マヨネーズ、ヨーグルト

エネルギー:741kcal
たんぱく質:26.0g
脂 質 :36.0g
食 塩 :2.2g

夕食

低たんぱく米、揚豆腐(中華あん)、煮付け、減塩のり佃煮、フルーツ缶

エネルギー:648kcal
たんぱく質:13.2g
脂 質 :17.8g
食 塩 :1.8g

3.ある日の食事

朝食

ご飯、豆腐の包み蒸し(おろしあんかけ)、煮浸し、減塩のり佃煮、低たんぱく煎餅

エネルギー:492kcal
たんぱく質:9.8g
脂 質 :13.8g
食 塩 :0.9g

昼食

低たんぱく米、カレイ揚げ煮、里芋煮付け、茹いんげん、お浸し、切干大根煮付け、ヨーグルト

エネルギー:633kcal
たんぱく質:21.0g
脂 質 :13.3g
食 塩 :1.7g

夕食

低たんぱく米、芙蓉蟹、茹ブロッコリー、マヨネーズ、フルーツ缶

エネルギー:644kcal
たんぱく質:18.1g
脂 質 :23.1g
食 塩 :1.6g

継続は力なり!胃袋も徐々に慣れます

これから食事制限を始めようとする方にとっては絶望的な食事内容かもしれませんね。
嘘だと思われるかもしれませんが、自然と慣れていきます。

私は、ネフローゼ症候群と診断される前は濃い味大好きで暴食気味でした。

食べ終わったそばつゆはそば湯を入れず、そのまま飲み干すぐらいの濃い味大好き人間でした。
一度に食べる量も多く、夕飯はご飯をおかわり3杯ぐらいしてました。

そんな私でも、入院3日後にはこの食事内容にてほとんど苦にならなくなりました。
そして、入院して一週間を過ぎたあたりから、この食事内容で満腹感を感じるようになります。

失う生きがいあれば、新たに発見する生きがいも

食を趣味や生きがいとしている方も多くいらっしゃると思います。
実際に私もそうでした。

そういった楽しみが減る悲しさはたしかにあります。
ただ、この病気を発症してからは、いままで見過ごしていたものがとても大切に思えるようになるはずです。

それが何なのかは人それぞれだと思いますが、私の場合は家族でした。

遅くまで仕事をし、食事は外で済ませ、帰宅するのは家族が寝静まった後。
朝も早く起きて会社へ出かける。
休日は、平日の疲れを癒すためといってひたすら寝る。

とても真っ当な父親とは言えませんでした。
皮肉なものですが、今となっては家族全員に支えられ、家族の大切さを改めて実感。

今は家族といる時間が何よりも幸せです。

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