私が体験した腎生検についてご紹介していきます。
腎生検を受ける前日まで、ネットなどで腎生検についていろいろと調べましたが、体験談のような形で記した情報があまり見つけられず、不安になった経験があります。
これから腎生検を受けようとされている方にとって、少しでも参考になればと思い、体験談もあわせて記しています。
あくまでも私個人の感覚からなる体験談であり、私が受診した病院での話ですので、その辺はご理解いただきますようお願いいたします。
腎生検
尿たんぱく、血尿、腎機能低下の症状がなどが見受けられる場合、腎臓の組織を一部採取する医療行為を腎生検といいます。
採取した腎臓の組織を診断し、腎臓に起きている症状をより正確に把握することが目的です。
もたらされる診断結果をもとに適切な治療法を決めたり、症状の予後予測へと用いられています。
腎生検の方法
まず、患者がうつ伏せになります。
超音波にて腎臓の位置を画像で確認し、麻酔の処置をおこないます。
細い針状の医療器具を背中から腎臓へと刺し、腎臓の組織を一部採取します。この作業を数回繰り返し、腎臓の組織が十二分に採取できたことを確認してから止血作業を行います。
私の経験談
腎生検自体の痛みはほぼありませんでした。
背中らから針を刺し、腎臓の組織を採取すると聞くと少しゾッとしますが、さすがに麻酔が効いているので痛みはほぼありません。
腎生検を行う時間もさほど長くなく、針を刺す行為自体は私の場合は3回で終了したため、10分前後で完了したと記憶しています。
どちらかというと腎生検の時間よりも、医師たちによる腎臓の位置確認とどこからどのポイントめがけで針を刺すかという最終確認、そして、患者と医師との連携をはかるための呼吸法の最終練習の方が時間を要しました。
呼吸法の練習とは、息を「吸う・止める・吐く」のタイミングを医師が指示し、患者がその指示通り呼吸を行うことを指します。
腎臓は肺の近くに位置するため、呼吸を絶え間なくしていると常に腎臓の位置が動いてしまうので、こういった練習が必要となるのです。
ちなみに私の場合、前日にも同じ練習を行いました。
腎生検終了後
仰向けになり、翌日(24時間前後)まで寝返りなども基本的にはできず、絶対安静となります。
特に、腎生検直後の4~6時間前後は足などを動かすことも制限されます。
翌日の採血、採尿検査の結果を確認し、医師の了承が得られたら起き上がることが許されます。
ただし、1週間前後は安静が必要であり、歩き回ったりすることも制限されます。
私の経験談
腎生検自体よりも、終了後の絶対安静の方が断然辛かったです。
腎臓は左右に2つあるわけですが、腎生検を行った方の腎臓の足と背中は特に動かしてはダメだと注意を受けます。特に腎生検直後の4時間は絶対安静だと。
体を動かしてはダメだと言われると妙に動かしたくなる。
そして、本当に微動だにせずにじっとしていると、ベットと体が接している部分がどんどんと凝り固まり、痛くなってくるのです。
なかなか言葉では通じにくいと思いますが、これが本当に辛かったです。
4時間経過後、腎生検を行わなかった腎臓の方の足と背中は少しだけであれば動かしてもよいと言われます。
腎生検を行わなかった方の足は自分の意思で動かせるものの、片方の背中を起用に動かすことは難しく、看護師の力を借りることとなります。
看護師に動かしてもよい方の背中を持ち上げていただき、そこに枕を挟んでいただくことで若干楽になります。
ただし、すぐにまた痛くなるため、今度はその枕を背中から外してもらい、元の状態に戻す。
基本的にはこの繰り返しぐらいしか負担を減らす術はありませんでした。
当時の看護師さんには本当に申し訳なかったと今でも思いますが、ひどいときは1時間おきぐらいにこの作業をしていただきました。
寝ようと思ってもこの痛みのせいでほぼ寝ることができません。
寝ることができたとしても、1時間もすると痛みで目が覚めてしまいます。
ひどい時は痛み止めを処方してもらい、どうしてもという時には点滴をしてもらい、これが一番効果がありました。
ちなみにですが、針を刺した部分の痛みはこの間、ほぼ感じませんでした。
腎生検の危険性
平成10年~平成12年の日本腎臓学会の集計によると、日本全国で1年間に約1万人の方が腎生検を受けているようです。
この3年で約3万人の方が腎生検を受け、合併症や亡くられた方が以下のとおりいらっしゃるようです。
・輸血や外科的な処置が必要になる方が1,000人に2人
・亡くられた方が2人
私もこの情報を聞いて不安になりました。
こればかりは医師との信頼関係以外に、解消する術はないのではないかと考えています。
私の担当医は、事前に超音波で見える画像を見せてくださり、ハッキリと腎臓が超音波によって位置確認できることを教えてくれました。
ただ闇雲に針を刺すのではないと。
最新の医療技術を用いて、より安全により正確に施すと。
たしかに不安を完全に払しょくすることは難しいです。
ただし、より良い治療法を決定し、症状を改善していくために必要で前向きな検査であることは間違いないと私は考えています。
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